世紀末の果てに  【北斗の拳】

U.新たなる旅

1.子連れ拳士

 修羅の国から戻ったケンシロウは、とある夫妻に預けていた子供を引き取りに向かいます。現れたのは、年の頃は8歳前後の活発な少年。リュウと呼ばれるその男の子は、あのラオウの忘れ形見です。
 リュウを伴って旅立つケンシロウ。悪漢コウケツの農地や隠れ里「サヴァ」、そして極北の「ブランカ」など諸国を巡り歩きます。
 それは宿敵シンを倒して目的を達した後、バットと共に各地を旅をしていた頃と同じ光景でした。南斗や北斗、元斗に北斗琉拳といった巨大な敵との壮大な物語が終わり、行き着いた先は原点回帰だったのです。

2.そしてまた孤独

 ブランカでの戦いを終えたケンシロウは、突如リュウに別れを告げます。それも手紙一枚のみによる直接の挨拶なしという唐突な形で。
 諸国を巡る内に、リュウの著しい成長を目の当たりにしたケンシロウは、もう教えることは何もないと感じ、一子相伝の北斗神拳を伝承すること無く、別れてしまったのです。

 再び孤独になったケンシロウは、ユリアが眠る地へと向かいます。そしてここから先は、肝心の北斗神拳の伝承については一切語られることはありません。熱い男同士が拳で語り合う血生臭い「北斗の拳」からは思いもよらないストーリーが展開することとなります。